■■■■■ 海賊版キットは買わないで! ■■■■■ | |
この説明の前に【キャスト自体の収縮】もR.C.ベルグさんからお聞きしましたので、先に ご説明します。 ●溶剤希釈タイプの「無発泡型ポリウレタン樹脂」は収縮率が大きく、0.5%〜1.2%程度 有るそうです。またパーツが収縮しきる迄にはかなりの長い時間がかかります。皆様が 新製品のキットを購入されて、箱やポリ袋を開けた時に「プ〜ン」とキャストの臭いがする でしょう?これは、まだ収縮しているのです。また、溶剤を多量に混入すればする程、原料 コストは下がるのですが、収縮はより大きくなります。(海賊版は「何をどう使っているのか?」 さっぱり解らない物です) 【膨張による収縮のお話】 ●シリコン型に注型する場合、キャストが化学反応し発熱して硬化します。この発熱に よりシリコン型が膨張するのです。通常では「型取りした空洞も膨張すると大きくなる」と 思われがちですが、パーティングラインで上下に分かれた2つのシリコン型は(鉄のよう な硬度の物と違い柔軟さを持っていますので)、空洞形状の製品部分に影響を及ぼして しまうのです。 ※例えば「真球」を注型した場合、パーティング部分が大きく縮み、深さ方向は普通に 縮むので、真球を型取りしたにも関わらず、タテに長い(大げさに言うと)楕円形状に なって出来上がるのです。 ●では、前ページ写真のような「細長い脚パーツ」の場合はどうなるのでしょう? 下図のように、シリコン型に(円柱状の様な)細長い空洞がある訳です。これがシリコン の膨張により押されてきます。タテ方向の影響は少ないのですが、横方向は広い面積 で空洞を押されるので、製品は細く縮んでしまうのです。 ※パーツが大きくなる程、タテ・ヨコ比の収縮の差は大きくなりますので、原型師によって は出来上がりを考慮して、若干太めに原型を造る方達もいらっしゃいます。 さて、ここまで2ページに渡る文字文章を読んで頂きました。以上をご理解頂いた上で、 次の実測ページに行きましょう。 |